第115回関西ワークショップ
今回のワークショップでは、甲南大学法学部教授の大久保規子氏から『環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律』についてお話しいただきました。
と き:2004年1月15日(木)
ところ:甲南大学(神戸市東灘区岡本8-9-1)
テーマ:「『環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律』について」
話題提供:大久保規子氏(甲南大学法学部教授)
「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」について
大久保規子(甲南大学法学部)
1.はじめに
(1)環境パートナーシップ施策の展開
@環境基本法の制定、NPO法の制定
A各種施策の展開
(2)法制化の動き
・「協議会」、「協定」方式の広がり
自然再生推進法の制定、自然公園法の改正等
2.法律の制定経緯
・1999年12月24日 中央環境審議会「これからの環境教育・環境学習」
・2002作8月〜 ヨハネスブルク・サミットで日本が教育のための人づくり、
パートナーシップを提唱
・2002年12月17日 中央環境審議会中間答申「環境保全活動の活性化方策について」
・2003作3月25日 与党が「与党環境の保全・教育の促進に関するプロジェクトチー
ム」を設置
・2003年7月15目 衆議院環境委員会委員長が衆議院に法案提出・可決
・2003年7月18日 参議院において可決・成立
・2003年7月25日 本法公布
・2003年10月1日 本法一部施行
3.法律の概要
(1)法律の目的
@環境保全の意欲の増進
A環境教育の推進
(2)基本理念
(3)各主体の責務
(4)基本方針
(5)個別施策
4.法律の評価と今後の展望
(1)法律の特色
@議員立法として成立
A理念法としての性格が強い
人材認定事業の登録等を除き、理念規定、努力義務規定が多い
B「環境教育」「協働」という用語を初めて定義・明文化
(a)「環境教育」
(b)「協働」
C人材認定事業の登録制度を導入
(2)法律の効果
@底上げ
Aすそ野の広がり、支援
B信頼性の向上
(3)今後のスケジュール
@基本方針の策定(2004年春頃)
A本法完全施行
(4)権利規定創設の必要性
@EUにおけるオーフス条約の成立
A環境基本法の改正に向けて
(5)協働の仕組みの具体化の必要性