第76回ワークショップの模様

     (とき:'99/9/18 ところ:甲南大学)

テーマ:日中環境教育情報交流シンポジウムおよび中国エコツアー報告
発表者:本庄眞(奈良県香芝市立真美ヶ丘東小学校)、田代智恵子(大阪市環境事業局職員課)、天野雅夫(甲南病院看護専門学校)

 第76回ワークショップは、関西支部第1回エコツアーから帰国後約半月で開催された。会場は甲南大学9号館第6会議室で行なわれ参加者は28名であった。

 まず初めに本庄氏からエコツアーおよび同時に開催された日中環境教育情報交流協会第1回記念シンポジウムの概略を説明していただいた。特にシンポジウム2日目の一般研究発表(B分科会)において自ら発表された内容も含めて、同じ環境教育というテーマであっても、国を異にすることでどのような点が共通し、また相違しているかということを、さらに1990年と1995年に訪中した経験を踏まえて、この10年間を比較した考察をお話していただいた。

 

 つぎに田代氏から、シンポジウムの翌日からのエコツアーについて説明していただいた。田代氏には本誌(エコメイル51号)において関西支部第1回エコツアーの報告を執筆していただいたが、そこでは中国の特にゴミ問題と衛生のことについて触れられていたのは記憶に新しい。また、今回の報告では、5日間にわたるエコツアーの詳しい行程(下記日程表参照)とモンゴル草原での体験、砂漠風景やラマ教寺廟の観覧、重工業都市包頭での製鉄所見学について、VTRを見ながら詳しくお話していただいた。

 時間の都合上、詳しく説明することはできなかったが、筆者は北京・呼和浩特・包頭における携帯バッジによる大気汚染調査の結果について資料をお配りした。この大気汚染調査は、神戸市環境局の今井佐金吾氏の御協力によって実現したものであるが、包頭市のサーマルNOxの数値に特に顕著に相違が表れていたという点で、非常に興味深い調査であったと言えるだろう。しかし、今井氏が測定結果のレポートの中で述べられているように、バッジ着用者の暴露量を把握するだけでなく、ホテルの窓の外、バスの窓に吊るすなど、一般環境大気に暴露させる調査も同時に実施していれば、より多くのデータが採取でき、されに詳しい環境測定ができたのかもしれない。次回からのエコツアーにおいては、こうした経験を踏まえて、双方の協力によってより具体的なデータが得られることになるだろう。また、こうした環境教育を接点とした世界ネットワークの構築によって緊密な情報交換が今後展開してゆくのではないだろうか。

資料:第1回エコツアー日程表
8月15日 大阪発
8月16日 日中環境教育情報交流協会第1回記念シンポジウム開催
8月17日 シンポジウム2日目一般研究発表等の後、K89号夜行列車
       にて内モンゴル自治区の区都フフホトへ
8月18日 フフホト駅から四子王旗草原(コクントラ草原)へ。草原にて
       蒙古族の生活を体験し、パオに宿泊する。
8月19日 コクントラ草原から包頭へ、途中汚水処理場を見学、砂漠風
       景を観賞。
8月20日 包頭にてラマ教寺廟見学、包頭市郊外の製鉄所(包頭鉄鋼
       集団)を見学後、T90号夜行列車にて北京へ
8月21日 北京到着
8月22日 帰国


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